EC業界のエンジニアの仕事とは?自社開発5年目が語る、担当する機能と「ECならでは」の難しさ
結論:コーディング以外の力も、意外と多く求められる
EC業界のエンジニアは、ネットショップを支える仕組みをつくる仕事です。 私は、EC向けのシステムを自社製品として企業に提供している会社で、自社開発エンジニアとして5年目になります。
働いてきて一番伝えたいのは、コーディングの力以外に必要な力が、意外と多いということです。 EC全般の知識、外部の会社との連携、セールのときのアクセス集中への備えなど、ECならではの難しさがあります。
この記事は、1社・1人の経験にもとづくものです。EC業界の中でも、会社や製品によって仕事の内容は変わります。
担当してきた機能
EC向けの製品で、私がこれまでに担当してきた機能には、次のようなものがあります。
| 分野 | 機能の例 |
|---|---|
| 注文・お金まわり | 受注管理、決済、ポイント |
| 商品・在庫 | 商品データの取り込み、在庫連携 |
| 外部との連携 | 基幹システムとの連携API、CS(カスタマーサポート)関連の連携 |
| 集客・分析 | SEO関連のシステム、データ集計・レポート |
| 裏側の処理 | バッチ処理、ユーザー情報まわり |
ネットショップは、お客様から見える画面だけでなく、注文や在庫、お金の流れ、外部のサービスとのやり取りなど、たくさんの仕組みが組み合わさって動いています。 その一つひとつを、製品としてつくり、改善し続けるのが仕事です。
1つの機能ができるまでの流れ
私の職場では、1つの機能を、おおよそ次の流れでつくります。
- 企画
- 要件定義
- 詳細設計
- 実装
- テスト
- バグの修正と再テスト
- テスト環境へのリリース
- 内部結合テスト・外部結合テスト
- 本番リリース
- 保守
それぞれの段階で、お客様(導入企業)の確認もとりながら進めます。 コードを書く「実装」は、この流れの一部です。設計やテスト、リリース後の保守まで含めて、エンジニアの仕事だと感じています。
EC業界ならではの難しさ
1. セールやイベントのときのアクセス集中
セールやイベントのときには、普段よりアクセスが大きく増えます。 その負荷に耐えられる仕組みにしておく必要があり、障害やトラブルが起きやすい場面でもあります。
2. 外部サービスとの連携が多い
決済や物流、基幹システムなど、ECは外部の会社のサービスとつながって動いています。 私が一番「難しい」と感じたのも、この外部連携(API)の開発です。 他社のシステムと正確にデータをやり取りする必要があるので、相手の会社と細かく連携を取り合いながら進めなければなりません。
3. 法律やルールへの対応
ECでは、法律や業界のルールに合わせて、システムを対応させる必要もあります。
4. リリース直後が一番気が抜けない
トラブルが起きやすいのは、セールのときだけではありません。 本番にリリースした直後から、数時間〜数週間は、特に注意が必要な時期です。
EC業界のエンジニアに向いている人
ITが好きなら、ある程度だれでも向いていると思います。 そのうえで、ECの知識を身につけたい、身につけようと思える人は、より活躍しやすいはずです。
「ネットで買い物をするのが好き」は強みになる
ネットで買い物をするのが好きな人は、それだけで強みがあります。
- 使いやすさの視点:「こうしたら使いやすいはず」と、使う人の立場で考えられる
- テストの視点:買い物をする人ならではの操作がわかるので、テストのときに抜けやすいケースに気づける
エンドユーザーとしての感覚は、EC業界のエンジニアにとってかなり役に立ちます。
EC業界を目指す人が、今のうちに勉強しておくといいこと
一番おすすめしたいのは、EC全般の知識です。 注文から、決済、在庫、配送、ポイント、問い合わせ対応まで、ネットショップがどう動いているのかを知っておくと、入ってからの理解がぐっと早くなります。
まとめ
- EC業界のエンジニアは、注文・在庫・決済・外部連携など、ネットショップを支える仕組みをつくる仕事
- 実装だけでなく、設計・テスト・リリース後の保守まで含めて担当する
- ECならではの難しさは、セール時のアクセス集中、外部連携の多さ、法律への対応、リリース直後の対応
- コーディング以外に必要な力が意外と多いので、EC全般の知識を身につけておくのがおすすめ
自社開発の働き方のきつさと楽しさは、自社開発エンジニアはやめとけ?で詳しく書いています。 自社開発エンジニアの1日がどんな感じかは、選択肢で進む体験ゲーム「自社開発エンジニアの1日」でも体験できます(約2分)。現場のあるあるは4コマ漫画「自社開発エンジニアの日常」でも描いています。 自分が自社開発と社内SEのどちらに向いているかは、次の診断で確かめられます。